大分大学理工学部・大学院工学研究科

国際社会で活躍できる視野と,専門性を備えた人材の育成に努めます。 標準修業年限3年で「博士(工学)」の学位が授与されます。

基本理念

質の高い特色ある教育と研究を通じて,世界に通用する科学技術を創造し,もって地域に貢献するとともに,豊かな創造性,社会性及び人間性を備えた人材を育成することを理念とします。

教育・研究の目標

本学の教育・研究の目標を踏まえ,工学研究科博士後期課程においては,各専攻分野における高度でかつ最先端の知識を身につけ,独立して研究を展開し,国際的に活躍できる指導的技術者・研究者を育成することを目標とします。

求める学生像

前述の目標を達成するために,工学研究科博士後期課程においては次のような意欲と熱意をもった人を求めます。

  1. 科学技術を深く探求し,独創的研究に取り組む意欲を持つ人
  2. 新たな分野や理論の創出に意欲を持つ人
  3. 国際的視野や感覚をもち,世界的研究を目指す人
  4. 人間性豊かで,人類福祉に貢献しようとする志を持つ人

【博士後期課程】コースの概要

物質生産工学コース

現代社会を構成する機能要素としての物質の機能の解明,生産技術の開発,さらに物質に付加された各種の情報の生産と処理技術に関する教育研究を行います。

科学技術の発展は,新しい物質の発見と,それを生産する技術の改良によって支えられてきました。新規な機能を有する物質の発見と効率的生産がさらに新しい技術を生み出し,大量生産を可能にするとともに産業の発展を促してきました。近年は先端技術分野で用いられる物質に対する要求が高度化し,従来とは異なった発想に基づく創造的生産技術が求められています。これからは,個々の過程を別個にとらえるのではなく,高い機能を有する物質の設計から機能を発現させる製造技術,そして高品質大量生産を可能にする生産プロセスまで,一つのシステムとしてとらえることが必要です。本コースは,新規な物質の開発と生産技術,及びシステム化をめぐる課題を取り上げて教育研究を行います。

物質生産工学コースにおける3大分野の概要は次のとおりです。

応用化学分野

従来からある無機材料・有機材料・高分子材料の高機能化及びそれらの複合化,ニューセラミックス,磁性材料などの新素材やエネルギー変換材料の合成・設計・評価,物質の構造と機能の関係,さらに,生体,生体関連物質及び生体模倣材料の創成・設計・評価など,今後の技術革新の鍵を握る高機能性材料の合成及び機能発現に関する教育研究を行います。

機械工学分野

我が国の産業を支える革新的な「ものづくり」に必要不可欠である「機械工学」を構成する4力学(材料力学,機械力学,流体力学,熱力学)を中心とし機械工学の幅広い分野に及ぶ最新の教育研究を行います。特に産業界の要請に応えうるべく,高度でかつ即戦力の技術者育成を目指します。

電気電子工学分野

高度情報化社会を発展させるうえで必要となる電気・エネルギー,エレクトロニクス,情報通信,電子デバイス材料およびそれらの学際的分野に関し,磁性材料・誘電材料の開発,効率的なエネルギー発生・輸送・貯蔵法の開発,放電プラズマの計測・制御,高速光通信,半導体材料の開発・評価,など先端技術の教育研究を行います。また,これらの研究分野では,非線形要素からなる複雑なシステムを取り扱うため,数理科学に基づいた非線形システムの計測・解析・制御に関する基礎的な教育研究も行います。

環境工学コース

人類の諸活動が環境に与えるインパクトを解明するために,快適な環境の計画と設計,さらに知的活動の支援や環境をコントロールするための情報システムに関する教育研究を行います。

科学技術の進歩とともに生産活動が活発になるのに伴い,人間を取り巻く環境は急速に変化しています。無限とも思われてきた環境容量を超える生産活動は,今や地球規模で環境に重大な影響を及ぼしつつあり,調和のとれた発展が強く望まれます。一方,情報化社会の到来・生活水準の高度化などに伴い,快適な生活環境に対する要求が強くなっています。このような社会の要求に応えるためには,単なる問題解決型の取り組みのみによるものではなく,快適な自然環境と調和の取れた人工環境の創造という視点に立った人間工学的,情報・システム科学的観点からのアプローチが必要です。本コースは,環境をめぐる種々の課題について,人間環境,環境情報の観点から取り上げて教育研究を行います。

環境工学コースにおける2大分野の概要は次のとおりです。

建築学分野

快適な生活環境の設計,福祉環境の向上を図るための住環境及び施設計画,さらに構造設計・耐震設計,建築材料と施工技術,都市全体としての環境計画,資源と環境のかかわりなどの教育研究を行います。

情報工学分野

情報構造の数理的な解析を基盤としながら,高速ネットワークの活用を通して情報の協調や連携を行う手段を探ります。さらに,並列計算機システムの制御技術を利用して,人間の知的活動の支援や情報化社会の構築に応用を図ります。それぞれの教育研究分野との緊密な連携により,種々の情報を互いに独立したものではなく,一つのシステムとしてとらえることを目指します。