大分大学理工学部・大学院工学研究科

大学院工学研究科 博士前期課程2年 足立久也君が日本燃焼学会「美しい炎の写真展」にて優秀作品賞を受賞しました

受賞

 大学院工学研究科・博士前期課程2年・足立久也君(熱工学研究室所属)が、日本燃焼学会主催で、第55回燃焼シンポジウムにおいて開催された美しい炎の写真展へ作品を応募し、優秀作品賞を受賞しました。以下に、足立君の投稿内容を紹介します。

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受賞作品、模擬液面燃焼

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作品名:模擬液面燃焼

応募者:足立久也、伊東朋晃、髙橋美紗紀、橋本淳、田上公俊

 世界的にエンジン苦難の時代が騒がれています。燃焼研究者が協力できることを、少し考えてみました。この実験では、予混合火炎に対向して、窒素と混合したガソリンサロゲート燃料を供給しています。下方から供給されたガソリンサロゲート燃料が上方の予混合燃焼ガスと反応し、すすが形成されています。これは、ガソリンエンジン筒内で生じる液面燃焼を模擬しています。模擬というのは、実際の液面を省略した上で、高温低酸素燃焼ガスにバックサポートされているという液面燃焼のポイントを再現したためです。これにより、数値モデルの切り分けによる検証が可能です。基礎的な実験ですが、燃焼の応用技術につながれば良いなと考えています。

Simulated in-Cylinder Pool Combustion

Hisaya Adachi, Tomoaki Itoh, Misaki Takahashi, Jun Hashimoto, Kimitoshi Tanoue

Engine research is facing difficulties of a new era. Science will help us to overcome them. This photograph shows "the Simulated in-Cylinder Pool Combustion". A propane premixture is supplied from the upper duct and a premixed flame having the equivalence of 0.9 is formed. Then the nitrogen diluted gasoline surrogate fuel is supplied from the lower duct. The gasoline surrogate fuel reacts under the support of combustion gas and generates the particulate matter. This experiment is devised to simulate the pool flame occurring in DISI gasoline engines.

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 この実験は、熱工学研究室が参画している内閣府・戦略的イノベーション創造プログラム・革新的燃焼技術のプロジェクト研究にて創出されたものです。エンジン内部で生じ、排出ガス規制で問題となっている重要な現象を、技術者達と議論を重ねた上で学の知識と経験を活かして考案したもので、まさに理工学部の意義を具現化した一例です。今後、この新たに考案された実験モデルに対して現象の詳細な計測が行われ、産に活用されてゆくものと考えます。

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授賞式、橋本准教授が代理出席

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左から伊東朋晃氏(工学研究科1年),足立久也氏(同2年),髙橋美沙紀氏(同1年)


 さらに、同学会では大分大学・熱工学研究室と日本大学、横浜国立大学の共同研究がベストプレゼンテーション賞を受賞しました。

詳細反応モデルおよび簡略化反応モデルによるすす粒子生成の比較

由井寛久(日本大学)、生井裕樹、岩田和也、今村宰、橋本淳(大分大学)、石井一洋(横浜国立大学)、秋濱一弘(日本大学)

 本研究も同じく戦略的イノベーション創造プログラム・革新的燃焼技術の課題であり、大分大学では数値モデルの開発を担当しています。


 これら2つの受賞は貴重な成果として、国立研究開発法人 科学技術振興機構のサイトでも紹介される予定です。


参考URL:国立研究開発法人 科学技術振興機構:http://www.jst.go.jp/

JSTトピックス:http://www.jst.go.jp/report/2017/171117.html


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