大学院工学研究科の髙橋美沙紀さんがSIP燃焼アワードを受賞しました
大学院工学研究科2年 熱工学研究室 髙橋美沙紀さんがSIP燃焼アワードを受賞しました。2019年1月28日,東京大学にて行われた最終公開シンポジウムにて表彰されました。
研究課題名: ガソリンエンジンの実用計算に適用可能なすす生成モデル
研究担当者: 髙橋美沙紀(大分大学大学院),橋本淳(大分大学),石井一洋(横浜国立大学大学院),秋濱一弘(日本大学)
概要: 実用燃焼器の数値計算においてすす生成特性を予測するためには,化学種数等の保存量をできるだけ少なくすることが望ましい。本研究では炭素数60程度までの多環芳香族炭化水素の成長過程を3つに区分したセクショナル法で記述し,モーメント法による粒子成長計算と組み合わせてすす生成量を予測するモデルを作成した。さらに,ガソリンサロゲート燃料に対して衝撃波管にて計測された実験結果を用いて,モデル評価と調整を行った。
熱工学研究室は2014年から戦略的イノベーション創造プログラム(SIP),革新的燃焼技術に参画しており,ガソリンエンジンのすす生成モデルに関する研究に取り組んできました。
SIP燃焼アワードは,このプロジェクトにおける研究課題の中から2018年度の優れた研究に対して授与されるものです。国内約80の研究機関で行われている研究の中から優れた成果として選ばれました。
なお,SIP革新的燃焼技術は2018年度で終了しますが,管理法人である独立行政法人科学技術振興機構よりプレスリリースが発表されています。
題目: ガソリンエンジンおよびディーゼルエンジンともに正味最高熱効率50%超を「産産学学連携」で達成~燃焼、摩擦、ターボ過給、熱電変換の技術で環境にやさしい内燃機関へ~
URL:https://www.jst.go.jp/pr/announce/20190116/index.html
大分大学ではPM(粒子状物質)生成モデル「RYUCA(粒神)」の開発を担当するとともに,自動車エンジンの3次元燃焼解析ソフトウェア「HINOCA(火神)」のPMモデル実装を担当しました。
髙橋美沙紀さんの成果は,このRYUCAの新開発モデルに関する研究内容です。
また,この国産燃焼解析ソフトウェアHINOCAについては次のページで紹介されています。大分大学ではプール燃焼まで対応可能なPMモデルの開発,実装を行いました。
題目: HINOCA(火神)とは
URL:http://www.jst.go.jp/sip/event/k01_hinoca/index.html
HINOCAの開発には国内各分野の専門家が協力して取り組んでいます。その理論およびモデルの基礎は,人材育成の観点から「基礎からわかる自動車エンジンのシミュレーション」として出版準備を進めています。大学院ではこの書籍をテキストとして講義を行い,最先端の設計開発技術をわかりやすく教授してゆきます。
2019年度はAICE(The Research association of Automotive Internal Combustion Engines)と連携し,さらなるモデル開発を進めてゆく予定です。
大分大学で共に学びましょう!