大分大学理工学部・大学院工学研究科

工学研究科 応用化学コース 1年 立山実結花さん(檜垣研究室)が日本バイオマテリアル学会2024年度九州ブロック研究発表会で「優秀ポスター賞」を受賞しました。

受賞

本学 大学院工学研究科 応用化学コース1年の立山実結花さん(檜垣研究室所属)が、日本バイオマテリアル学会2024年度九州ブロック研究発表会で「優秀ポスター賞」を受賞しました。

 

発表題目:糖/双性イオン両親水性ブロック共重合体の相分離挙動

著者:立山実結花,前田沙弥,檜垣勇次

発表日時:20241123

発表場所:別府国際コンベンションセンター

 

糖鎖は糖タンパク質として細胞表面に提示され細胞間情報伝達を担う水溶性生体高分子であり、糖鎖の導入により分子認識機能を備えた分子集合体は診断デバイスや薬物送達キャリアなどへの応用が見込まれます。

檜垣研究室では、水溶性高分子の水中相分離に基づく新たな分子システムを研究しており、水溶液状態でナノメートルスケールの相分離構造(ミクロ相分離構造)を形成する分子集合体を見出しています(Macromol. Chem. Phys. 2023など)。疎水性二分子膜で隔てることなく水相を分画する分子集合体であるため、スキンケア、生体材料、薬物送達システム、複合型創薬モダリティの開発における基礎となる新技術として研究を進めています。

受賞研究では、細胞の分子認識機能を担う糖鎖の分子骨格であるピラノースを含む糖鎖高分子と、細胞膜を構成するリン脂質の親水部位である双性イオン構造を含む双性イオン高分子で構成される新規両親水性高分子の創成と、水溶液で形成される分子集合体の構造と機能について研究しています。合成した新規両親水性ブロック共重合体が、分子量や共重合組成といった分子構造パラメータに応じて水中で分子集合体を形成し、濃厚水溶液において格子状秩序構造を形成する現象を発見しました。さらに、抗がん剤の糖鎖高分子相への濃縮が認められており、選択的分子内包/徐放特性を備えた分子システムとしてのポテンシャルが示されました。細胞の構成要素であるリン脂質と糖鎖がナノメートルスケールで周期的に配置された分子集合体は前例がなく、細胞機能を集積した新たな分子集合体として位置付けられ、組織再生足場や分子徐放性担体などのバイオマテリアルへの応用が期待されます。

本研究は、JSPS科研費 基盤研究B 「水性ミクロ相分離二相系高分子集積体の創成」 JP 22H02147、新学術領域研究(研究領域提案型)水圏機能材料:環境に調和・応答するマテリアル構築学の創成 「選択的水和による水圏メゾスコピック秩序構造」 JP22H04555の助成を受けたものです。(発表件数:27件,受賞者数:4名)

 

檜垣研究室:https://yuhigakki.wixsite.com/mysite

新学術領域研究 水圏機能材料:https://www.aquatic-functional-materials.org/

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写真1:受賞した立山実結花さん         写真2:表彰状

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